中学英語の動画 「LESSON 1(後半②)主語と動詞・be動詞と一般動詞」ブログver.【中学2, 3年生編】


この記事は、塾講師inoue(e)がYouTubeに公開している「LESSON 1(後半②)主語と動詞・be動詞と一般動詞」の内容をブログ用に書き直したものです。
今回は中学1年生の応用から中学3年生までの英文を対象に、より複雑な文で主語と動詞を見つける方法や、修飾語句などについて深く掘り下げていきます。

動画の目的

  • 今回は、主語と動詞の基本的な見方から一歩進んで、より複雑な文での見方を習得することを目的としています [00:16]。
  • 前回の「主語・動詞」の考え方と今回の「主語・動詞」の考え方は同じなのですが、日本文の読み取り方が間違っていたり、基礎ができていない人は、今回のどこかからぐっと難しく感じるかもしれません。「全部同じだな」と見えるようになれば「主語・動詞」が完成したと考えていいでしょう
  • 不定詞、動名詞、関係代名詞、分詞といった中学2年生以降で学習する文法事項にも触れるため、まだ学習していない場合はその部分を飛ばして読んでください。

主語を見つけるための2つのポイント

複雑な英文でも主語を正確に見つけるための重要なポイントは以下の2点です。

  1. 動詞から主語を考える [05:16]:
    • 日本語の「〜は」「〜が」にまどわされず、「動詞するのは誰か(何か)」「動詞の状態なのは誰か(何か)」を考えれば主語は見つかります。
    • : 「この中学校では多くの生徒が放課後に本を読みます」という文で、「読みます」という動詞から、「本を読むのは誰か」→「多くの生徒」であると考え、「多くの生徒が」が主語であることを見抜きます。「この中学校では」の「は」にまどわされないことがポイントです。また、「この中学校では」というかたまりは主語には含まれません(下記、例2で解説)。
  2. 修飾語句と主語の区別 [05:47]:
    • 名詞を説明する語句(前置詞のかたまり、不定詞の形容詞的用法、関係代名詞、分詞)は、名詞の後ろに置かれ、その名詞とセットになって「主語のかたまり」を作ります
    • 例1: 「カナダにいるおじには友達がたくさんいます」という文では、「カナダにいる」が「おじ」を説明している(「カナダにいる」が「おじ」につながっている)ため、「カナダにいるおじ」全体が主語のかたまりになります。
    • 例2: 「この中学校では多くの生徒が放課後に本を読みます」という文では、「多くの生徒が」だけが主語になります。「この中学校では」は「多くの生徒」につながるのではなく、「この中学校では」「本を読みます」と動詞の部分につながり、「多くの生徒」という主語とは直接関係がないと判断します。

具体的な例文と詳しい解説

  • 例文7:「カナダにいるおじには友達がたくさんいます。」 [00:56]
    • 主語: 「カナダにいるおじは」(My uncle in Canada)
      • 「カナダにいる」は前置詞のかたまり(in Canada)で、「おじ」を説明している(「おじ」につながっている)ので、セットで主語と考えます。
      • 前置詞のかたまり、不定詞・形容詞的用法、関係代名詞、分詞は、名詞を後ろから説明するので、「カナダにいる(in Canada)」は、「おじ」の後ろに置くことになります。
    • 動詞: 「います」(has)
      • 「友達がいます」は「友達を持っています」と解釈し、一般動詞の「have」を使います
      • 「~います」の場合は場所を表すためbe動詞を使いますが、「〜います」の場合は「~を持っています」と考えて一般動詞haveを使います。
      • 主語「カナダにいるおじ」が「私でもあなたでもない単数」(3人称・単数)なので「has」となります。
    • 「~を」: (many friends / a lot of friends)
      • 「主語+動詞」の後には、「~を」(目的語)を続けます。この場合、「たくさんの友達を持っている」と考えて、「many friends / a lot of friends」を続けます。
    • 答え: My uncle in Canada has many friends/a lot of friends.
  • 例文8:「この中学校では多くの生徒が放課後に本を読みます。」 [04:37]
    • 主語: 「多くの生徒が」(Many students / A lot of students)
      • 「この中学校では」の「は」を見て主語と思わないようにしてください(上記「例2」参照)。主語は「~は、が」の部分ですが、同時に、もう一つの主語の考え方も思い出せるようにしておけば、この問題は解決できます。「動詞をする人/物」「動詞の状態の人/物」、これも主語を見つける有効な方法です。この場合、「本を読むのは誰か?」→「多くの生徒が本を読む」とわかります。(この中学校が本を読むわけではありません)
      • また、「この中学校では」は「多くの生徒」につながっていないので、主語には含まれません(上記「例2」参照)。
      • 動詞: 「読みます」 (read)
        • 「~を読む」という一般動詞readを使います。
      • その他: 「本を」 (books)、 「放課後に」 (after school)、 「この中学校では」 (in this junior high school) [07:25]
        • 一般動詞を使う英文の基本的な語順は、「主語+動詞+~を+場所+時」となります。伝えたいことによっては順序が変わる場合もありますが、通常は、この語順だと覚えておくと、英文を作るときや日本文を考えるときに役に立ちます。
        • 答え: Many students/A lot of students read books in this junior high school after school.
  • 例文9:「海外で働くことが私の夢です。」 (2年生向け) [08:42]
    • 主語: 「海外で働くことが」(To work / Working abroad)
      • 「海外で」は「働く」につながるので、「海外で働くことが」全体が主語になります。
      • 「〜すること」が主語になる場合、不定詞・名詞的用法(to work abroad)または動名詞(working abroad)を使います。そして、不定詞・名詞的用法または動名詞は、単数と考えて動詞の形を決めます。つまり、(現在の文なら)3単現の文になるということです。(「海外で働くこと」は私でもあなたでもないので、3人称です)
      • 「海外で」は「abroad」の他、「in a foreign country」や「overseas」のなども使えます。
    • 動詞: 「です」 (is)
      • 「~です」を動詞と見て、be動詞の文と判断します。
    • その他: 「私の夢」 (my dream)
    • 答え: To work abroad/Working abroad is my dream.
  • 例文10:「外国人と話すことは私を興奮させます。」 (2年生~3年生向け) [10:32]
    • 主語: 「外国人と話すことは」(To talk / Talking with foreigners)
      • 「外国人と」は「話す」につながるので、「外国人と話すことは」全体が主語になります。
      • 例文9と同様に、「~すること」が主語になっているので、不定詞(to talk with foreigners)または動名詞(talking with foreigners)を主語にします。
      • 「外国人」は「foreign people」とすることもできます。
    • 動詞: 「させます」 (makes)
      • 「興奮させます」が動詞ではありません。この場合、「させます」だけを動詞と見て、「AをBにさせる/AをBにする」を表す「make A B」の形を使うことになります。
      • 例文9でも解説したように、不定詞や動名詞が主語の場合、3人称・単数と考えるため、動詞に-sがつきます。
    • その他:
      • 「興奮するような」は「excited」、「興奮させるような」は「exciting」になり、この2つは混同する人が多いです。簡単な説明としては、通常、「人」が主語の場合は「excited」、「物」が主語の場合は「exciting」を使う場合が多いと覚えておけば、たいていの場合は問題なく正解できます。
        しかし、この「make A B」の文は注意が必要です。この文では、主語ではなく、「AとBの関係」でどちらを使うかを考えます。例文10では、「me」は「人」なので、「excited」を使うことになります。
    • 答え: To talk/Talking with foreigners makes me excited.
  • 例文11:「足を怪我した男性が数日間入院しています。」 (3年生向け) [13:36]
    • 主語: 「足を怪我した男性が」(A man who injured/hurt his leg)
      • 「足を怪我した」は「男性」につながるので、「足を怪我した男性」全体が主語になります。
      • 関係代名詞(who injured/hurt his leg)を使って「男性」を説明します。関係代名詞のかたまりは、後ろから名詞を修飾します。
      • 「怪我をする」は一般動詞injure / hurtを使います。
      • 体の部位を表すときは「his leg」のように所有格(~の)を置くことを忘れないようにしましょう。
    • 動詞: 「入院しています」(has been in the hospital)
      • 「入院する」は中学英語では「病院にいる」(be in the hospital)と考えればいいです(「~にいる」は場所を表すのでbe動詞を使う)。知らない表現が出てきたときに、「自分の知っている表現ではどう表すことができるか」を考えることも英語学習において大事な考え方です。
      • 「数日間入院している」のように、過去から現在まで続く状態を表す場合は現在完了(have/has+過去分詞)を使います。
    • その他: 「数日間」 (for a few days)
    • 答え: A man who injured his leg has been in the hospital for a few days.
  • 例文12:「私が読みたい本はこの店に売っています。」 (3年生向け) [17:39]
    • 主語: 「私が読みたい本」 (A book which I want to read)
      • 「私が読みたい」は「本」につながるので、「私が読みたい本」全体が主語になります。
      • 関係代名詞(which I want to read)を使って、後ろから「本」を説明します。
      • なお、この関係代名詞は目的格なので、関係代名詞は省略することもできます。
      • また、この文は、「私が」を主語と見る間違いが多いです。ここでも、もう一つの主語の考え方を思い出しておきましょう。動詞をする人/物、動詞の状態の人/物が主語でした。「売っているのは何か?」→「本が売っている」、と考えて「本」が主語であることに気づきましょう。(私がこの店に売っているわけではありません)
    • 動詞: 「売っています」(is sold)
      • 「本が売っている」は「本が売られている」と解釈し、受動態(be動詞+過去分詞)を使うことに気づきましょう。主語が「する側」か、「される側」かを考えると、能動態(する側の文)か受動態(される側の文)かを簡単に判断できます。
      • その他: 「この店に」 (at this store)
    • 答え: A book which I want to read is sold at this store.

まとめ

この記事では、複雑な日本文に惑わされずに、主語と動詞を正確に見つけるための考え方を解説してきました。極端に言うと、「私は生徒です」も「海外で働くことが私の夢です」も同じbe動詞の文に見えるようになればゴールです。
しかし、そう簡単にはいかないでしょう。学年が進めば、今回の記事のように、修飾語句が主語の一部となる場合や、動詞の解釈(be動詞か一般動詞か、受動態か現在完了かなど)も複雑になっていきます。
この記事だけで理解できない場合は、一度動画をご覧ください。マンガよりもアニメの方が頭に入りやすい人は動画の方が合っているかもしれません(笑)

 

 

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